今日は、本日も粛々。
先日、Twitter(現X)で、こんなような内容の投稿をみかけました。
埼玉県の県立浦和高校出身の人が、文系でも理系数学の範囲を全部やる。
受験効率からすると、「無駄」だけど、素晴らしいことだなと言うと、
「だから浪人が多いんだろうね(笑)」(註:浪人率は50%ほどと言われています)
これを笑って言えるのも、本人にとっていい学校だったんだろうなと。
愛知県の旭丘高校では、文系理系問わず、理科は物理・化学・生物・地学全部やるそうです。
「ウチの学校ではこういうことを生徒に学ばせます」という学校はかっこいい。
大学入試まで効率を追い求める勉強がゼロになるわけはありませんが、
高校生にとって「無駄」はとてつもない栄養になると思います。
進学実績でしか高校の教育力をみないという、
議員さんや、保護者・マスコミ・塾関係者が多い中で、
こういう意見をまさかTwitterでみれるとは、嬉しくなっちゃいました。
東大寺学園(残念ながら、高校入試は廃止されました)の説明会に行った時も、
「大学入試みたいな小さな目標のためのフォローを大事にされるなら、
わが校は受験しないでください」とはっきり説明会で言い放つ学校もありましたし、
石川県では金大附属がかつて、大学受験以外の科目も、
「附属生が身に付けるべき基礎教養である」と行っていた時期がありました。
今はその代わり、探究学習に力を入れているみたいです。
浪人率は4割から5割と言われています。
高等教育への接続機関として、進学校の矜持を示す学校がある一方で、
泉丘は、「学校の課題は大学入試に最適化している」と言い切り、
そのくせ浪人率は35%から40%です。
私は浪人全然ありだと思うのですが、大学受験は大丈夫と言い切っておきながら、
この数字はさすがに、空手形だなぁと思います。
進学校の矜持をみせている高い浪人率を誇るところからは、
「ウチの高校は4年制だから(笑)」と冗談が飛び交い、
かたや受験に最適化していると謳っているところからは、
「話が違うのでは?」という話を、卒業した生徒保護者から聞きます。
まぁ、高等学校にはそれぞれ立ち位置と、
それを提供できるかどうかという人的資源もありますので、
どの立ち位置か?より、
もっと積極的に考えてほしいものがあります。
それは、
生徒自身が、進学校の生徒としての矜持を抱けばいいだけ
ということです。
進路や、何をやって何をやらないかは、塾も含めて、
先生に左右されるものではなく、
自分で決めるものです。
実際、東大受けろと学年集会で言われても、
京大志望者がほとんど志望を変えなかった年もあります。
生徒が立派すぎて、痺れました。
先生の意見を聞くなという意味ではなく、
自分が主体的に選び取っていけばいいだけです。
そして、自称進学校となり果てた学校であっても、
学問を希求し、その延長で大学受験なんかクリアできると、
本来の姿を提示している、
少数派でもカッコよさを貫いている先生は、
絶対にいます。
それを見つけられる感受性も、
生徒自身の立派な力です。
ごんぼっち